安気な住まい:団塊世代、男性編、今後の人生設計はどうする?4

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シルバー人材センターには駆け込むように定年退職後の男が集まる。一旦退職してしまうと、それまで与えられてきた仕事がなくなり、張り合いのない毎日が始まる。サラリーマンにとって、長年、働かされてきた習慣を失うと、人生の前途が見えなくなって駆け込み寺の如く集まるという。

私の父は鉄道病院勤めの薬剤師だったが、定年後近くの薬局に顧問で行っていたが、毎日の退屈に酒も重なって食道癌で若くして他界した。毎日課せられた仕事というものは、課せられている間は負担に成っているし、愚痴もこぼしているのだが、いざ無くしてしまうと生きがいを取られたような気分になる。昔が懐かしく、しなくても良い通勤をして会社の周りをうろつくなんて言う話も聞く。父の場合はそこまででは無かったものの、小さな町だったので昼間から行きつけの酒店で、地元の暇人と酒を酌み交わすことも多くなったようだ。

当時「公務員は60で退職すると5年以内」という話をしていた。確かに言われるように人生を送ったのだが、長く課せられた人生の次を自ら創りあげるには何らかの装置が必要になる。たとえば家に農地があれば、退職後は農業に専念できるし、家業だから放置するわけにはいかないので、身体を動かしながら畑仕事に汗を流すことができる。そして健康を保ち長生きすることになる。多少の宅地があれば不動産経営などの知恵を使った経営も充実した人生を構築するためのきっかけになる。

しかし、それもないサラリーマンは何をするのだろうか。「そば打ち」だって食べてくれて喜んでくれなければ生きがいにはならないし、それをビジネスにするにはリスクが大きい。嘗て退職金を投入してペンション経営に乗り出して苦労をする人々を見てきたし、退職後のビジネス展開に、形は作るが魂の入っていないビジネス紛いが横行する様子も見てきた。なぜか店や事務所を借りることから始めてしまうカッコ付け商法をやってしまう輩がいたが、必ずといっていいほど閑古鳥が鳴いて閉店するのが落ち。

私が感じているのは、こうした退職した後の人生を有意義に送るためには、まず「自分が他人の為に役立つ何かを見つけること」だと思っている。庭仕事が好きならば、剪定仕事をシルバー人材センターで探すのも良いし、都などの職業訓練を受けて庭師として手に職を生み出すのも良い。そば打ちが好きならば、公民館活動に参加して腕前を披露することだって出来る。ただ、会社でいつの間にか「上司」という職能になっていて、何が出来るわけでもなく、せいぜい「ゴルフと上から目線」しかなくなっていると、これは難しい。

その場合には、「釣り」をお勧めする。「渓流釣り」や「海釣り」など1人にもなれるし、1人で釣り船に乗ることも普通にできる。釣り船に乗れば、隣に見知らぬ釣り人がいて、共に魚相手に格闘している姿が見える。渓流釣りならば、山に篭り孤独になれる。自らを見つめなおすことが出来るだろう。それが自分の人生を豊かなものにさせるコツだと思う。何れにしても人生は自ら開拓するしか無いのだから、もう与えられることは無いと覚悟して、次なる行動を起こすことが決め手。

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このページは、秋元孝夫が2012年9月12日 06:49に書いたブログ記事です。

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