専業主婦の多い団塊世代の主婦だから、人生を亭主に託すしか無い女性が多い。だから亭主を選ぶ選択眼が狂うと人生の大半を失望の毎日で送らなければならず、これを何とか回復させたいと蠢くのである。とりわけ学生結婚なんてのは、その筆頭で、「愛が全て」なんて言いながら、感情の赴くままで結婚して子供を作るものだから、子育て期間中は母親役をやっているが、子供がそこそこ育ってくると、亭主に愛想を尽かした妻は独自の行動をはじめる。つまり新たな自己PRの活動開始である。
まずは、近隣でいい男が集まる場所にパートで出る。それで的を絞って攻撃して陥落させるというあの手この手が始まる。その攻勢をする場には、折からのバブルで燃えているマンションの建設現場。男ばかりの職場であり仕事の忙しさから女性と合わないという特殊な環境のもとでのマンション現場。そのモデルルームが新規パフォーマンスの活動の場にまず選ぶ。私の設計したマンション現場でも、現場所長とマンション案内のコンパニオンが一緒になるというのが普通。という話を聴くと、未来に不安を抱いていた主婦の行動も見えてくる。
愛がすべての学生結婚後の亭主の動きに、家族の経済的な信頼が得られない環境にでもなっていたら、子供も親族も次第に心配になる。そのうち、外に信頼出来る男性を作り出し、その人との懇親を深めていく。子供に対してはあくまでも信頼出来る男性であり、性的な関係ではないことを染み込ませながら次第に深みに入っていく。男性にとっても裸一貫で飛び込んでくるのではなく、子供を引き連れた信頼あるアプローチであることを受け止めての関係を構築していく流れに、確かな信頼と責任を感じて、全てを受け入れようと覚悟してくる。そこにいる子供も、密かにセカンドファミリーが育っていることを認識して、時たまの食事会を楽しみ、信頼する男性との小旅行にも母を送り出すようになる。
そのころ、学生結婚の亭主は、自らの進んできた道が、家族を十分支えていなかつたことに気付かされていくことになる。家族の心が父親から離れつつあることを感じつつ、苦々しくは思うが、「愛が全て」の学生結婚が社会性に裏付けられていなかったことを自らも自覚して、精神的な葛藤から家族の幸せを望むように変化していく。愛は全ての男性の在る種の優しさではあるが、社会的な弱者としての烙印を自らに架することでもある。
学生時代に結婚を迫られる女性は多くいると思う。その時、相手の将来を読み取って結論を出すことは難しい。余程、相手が大会社の御曹司や地主であるなどの特殊性を持っていれば別だが、安易に優しさに負けてはいけない。大概の場合、求婚している相手が金持ちならば、その親や親類はその結婚に注文をつけるもの。その時に合格をもらえるならば学生結婚も良い。しかし、大体は失敗に終わるのが落ち。その後の学生結婚の顛末がどうなっているのかを調べるのも面白いデータになりそうだ。結果が判れば披露してみたい。
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