幾つになってもドンキホーテ的な挑戦をしているように思う。最初の取り組みではターゲットとしての土地は選べるほどあった。大小取り混ぜて有ったたが、1号プロジェクト、2号プロジェクトと分散し始めて、結局は一番小さい敷地で14世帯が共有した。次のプロジェクトは最初から一つの敷地に拘って進めてきた。しかし、購入条件(販売条件)が少しずつ変わってきて、最終的に23世帯で購入した。しかし、三度目の企画では目的とした敷地がない。かろうじて現状の参加者に因って、永山駅の近くにしようという方向性は決まったが、土地が決まっていないから、具体的な企画を立て様がない。だから次回のワークショップでは、地区内にどんな敷地があるか選定作業をする。
これまでの二回のプロジェクトはUR都市機構の土地だった。最初はUR都市機構(当時は都市基盤整備公団)との協同事業で進めていたので、比較的土地の心配は無かった。ところが二回目は土地の用途の縛りや公募条件などが重なって、必ずしも買えるという保障がないので、最後には神頼みという何とも不甲斐ない買い方になった。それも中間に不燃公社に入ってもらっての事業である。ハードルは高くて関係者に苦労をかけた記憶が甦る。
さて、三度目のチャレンジは、土地は無い。駅周辺の空き地が対象である。殆どが民間で個人の地主であろう土地で、全てが交渉の必要がある土地を対象にしている。地域で住まいづくりを進めるためには地域の人々を対象にする。だから地域の地権者と情報交換する必要がある。そこで地元の不動産業者にも渡りを付けて相互に情報交換の出来る環境を整えつつある。それが上手くいくかどうかは今後の活動に掛かっている。
コーポラティブ住宅の成否は『土地』と『参加者』である。その二つを最初から見出そうというのだから途方もない事かもしれない。一般的には地主との協力の下に参加者探しをすることになるのだが、今回の場合は『参加者探し』を先に進め、ある程度参加者が揃った段階で『土地探し』をするという仕組み。手順としては純粋な取り組みだが、不動産事業としては場当たり的でリスクの多いもの。実現できる可能性は薄いと思われるが、ドンキホーテはサンチョパンサと一緒に戦いを挑む。
大きな時代の流れを考えると、住まいは購入する時代ではなくなったと考えている。しかし、個性的な住まい方はしたいので、住まいは選びたいし、出来ればコーポラティブ住宅のように間取りも含めて自分で作りたい。出来合のマンションではなく、気に入ったデザインで住みたいと思うのは若い人の気持ち。今更、マンションを買うのではなく自らの持ち家を処分するか賃貸して、その費用で住み続けられる便利な住まいが欲しいという高齢者も多い。
そこで企画しようとしているのが、スケルトン賃貸の仕組み。若い世帯にはインテリアを自分の費用で作り、スケルトンを賃貸する。高齢者には地主が内装も含めて標準的な住宅を提供する。基本的にはスケルトン賃貸は定期借家で10年くらいを契約期間として、退去するときには家主が購入するか、撤去するかを選定する。だから内装は家主が購入しても良いように作ることで、高く購入される可能性が出てくるし、個性的に作れば住んでいる間に使い切ればいい。共に選択の余地はある。
さてさて、まずは人集めと土地探し、どちらも手を抜けないときが来ているように思う。頑張らなくっちゃ。