ありきたりの住まいではない、心の中で求めている住まいがあるはずだと思っていて「安気な住まい」のあり方をみんなで話し合う会を主催し始めて半年ほどに成るだろうか。少しずつ人が増えている。
人と人が知り合って、共に住まう環境が欲しいと思っている人は多いはず。でも住まいはそうは行かない。住んでみると隣戸との関係が上手くいかなかったり、周りが空き家だらけだと困ってしまう。人は独りでは生きていけないという原則がある。少なくとも私はそう思っている。だから人は家族をつくる。妻がいて子供がいて親がいて孫がいて親族という関係がある。そう嘗ては大家族が普通だった。それが核家族になり、今は核分裂を起こしている。
単身者が増えている。高齢化して単身になるケースは多くなっているが、それだけではなく、結婚しないで単身の生活を送る人も増えてきた。男性も女性も40歳を越えた当たりから焦り始める。女性にとっては子供を産む年齢を超えると次の人生を考え始めるという。江戸城では30歳を越えると大奥から出されたようだが、今は自らが人生を選択する時代になっている。結婚を焦ることから詐欺的な結婚サイトもあるようで、人心を惑わせる邪な輩も跋扈している。いやな時代である。
女性だけではなく男性も女性と知り合うチャンスが無くて、合コンなどで知り合うことが多くなった。考えてみれば、男女が知り合うチャンスなど殆どないのが社会生活で、身近には限られた異性しかいないので、不倫がはびこったりDVなども生まれやすい。もっと自由に知り合うという機会は無いだろうかと思う。こうした懸念に対して、最近、男女を問わないシェアハウスが広がっている。キッチンやリビングを共有するシェアハウスで、若い世代が住み合う関係を成立させている。日本では、最初は海外からの旅行者などが短期間に住み合うシェアハウスが生まれていたが、それが日本に短期定住する男女を問わない単身者が共通の屋根を生活の場にするタイプとして広がっていた。
こうしたシェアハウスはアメリカでは学生などには当たり前の住まい方で、次第に日本にも広がっているようだ。最近の男性も女性も草食派が増えて来て、男女が共に住むという環境に馴染めるようになっているとのこと。とりわけ戸建て住宅が余ってくると、こうした使い方も増えそうに思う。こうなると普段着で男女がつきあえる環境が生まれる。私の若い頃は学生運動賑やかなとき。「同志愛」などという言葉で結ばれた男女がいたが、理由などはいらない。本当に気心の知れた仲間と共に暮らす。そんなスタイルが良いのかもしれない。
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