安気な住まい:団塊世代、男性編、今後の人生設計はどうする?1

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そろそろ定年退職して延長雇用も終わり始める団塊世代。その世代の今後の行方を多摩ニュータウンに居住している人々の実態を観察しながら整理してみたいと思う。あくまでも私の主観的な判断基準によるものであり、科学的な調査研究に基づいているものではないことをお断りしておきたい。

さて、多摩ニュータウンには多くの団塊世代が家族と共に居住している場合と、UR賃貸などの公的賃貸住宅に単身や夫婦などで居住している場合がある。また、持ち家の場合には戸建ての場合とマンションの場合があり、さらに資力の違いにより人生の選択肢も異なることが予想でき、一概に一つの回答をすることは難しい。しかし、今後の全国的な人口減少社会や就労環境の変化、さらに年金福祉などの生活支援との総合的な関係の中で、個々の条件に合わせた人生の選択が生まれて来るのだと考えている。

ケース1:団塊世代63歳男性、長男。夫婦で多摩ニュータウンのマンション住まい。

5年前に父親が他界して、残された母親88歳が田舎でいるケース。母親は平均寿命を上回っているが、田舎で日常は畑を耕しながら遺族年金で生活をしている。仕送りもしているので生活は困窮していない状況。ただし、体力的にも長くは続かないので、呼び寄せを検討している。同居は妻への遠慮もあり、近くのUR賃貸への入居か、田舎の資産を売却して近所のマンションを購入するか、思い切って田舎に帰るかを迷っている。また、妻の親はすでに他界していて、財産は整理して兄弟で分けている。

夫は、もともと会社人間であり、地域に戻ってきても地元での日常の過ごし方が下手で地域に溶け込んでいない。だから心の何処かで母親を介護することを理由に夫婦で田舎に戻りたいと思っているが、言い出しにくい状況がある。

上記のようなケースは、多少の違いはあるが、多摩ニュータウンには多くいるパターンだと思っている。殆どが実家のあるケースで、長男長女も都会に出ている場合は、こうしたケースになる。次男次女では、もっと自由で、海外移住や国内でも沖縄や北海道などの自然志向で移住するケースもあるだろう。

ケース2:団塊世代63男性、単身でUR賃貸に住む。

もともと独身で住まいで過ごしてきた。結婚も考えたが出会いを逸して会社人間を通して、最後の再雇用でそろそろ完全退職となる。そこで親のいる田舎に帰ることにした。60歳定年で田舎暮らしという選択や、もっと前にも辞めて田舎に帰る方法も考えていたが、求められる儘、完全定年に近くなった。近隣に友人もいない。だから現在の住まいに住み続ける必要は全くない。ましてや多摩ニュータウンにいる必要もない。会社との関係も建設業では将来の見込みは少ない。人間関係も希薄になった。

田舎には親が育てている田畑がある。田舎で農業を通じたインターネットビジネスや近所の農家と農業法人などを創れれば良い。連れ合いもないので自らの資産は農業法人に残すようにして、地元が振興すればそれで良いと思っている。

シングルの場合はもっと自由な選択ができそうだが、早期退職で次なる人生を選ぶことも出来るだろう。人の人生は多様だから、事例を探れば100以上も有るかもしれない。ただ、具体的な事例を探らなければ整理も出来ないように思うので、こうした試みを続けてみる。

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このページは、秋元孝夫が2012年8月 2日 02:13に書いたブログ記事です。

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