空き家が増え始めたワンルームマンションや賃貸マンションを「安気な住まい」に変えようというプロジェクトを薦めている。そろそろ余り始めた賃貸マンションの次なる利用に家主も考え始めたようだ。何しろ多摩市の民間賃貸住宅の急速な空き家発生に穏やかではないはず。とりわけワンルームマンションに空きが集中していて、市場価格帯も崩れてきた。
一方、高齢者の数は増えている。それも単身高齢者が増加している。孤独死の発生、生活保護の増加、年金生活でぎりぎりの生活が続く中、福祉や医療の公的負担が増加する。そして同時に現役世代の社会参加が増えていく中で共働き世帯の増加、それに伴う子育て共働き世帯(デュークス)の増加、さらに離婚率の増加やシングルマザーの増加で、ひとり親世帯が増え続けている。子育てや日常生活の困難さも毎日のこと、日常的な生活支援が求められている人々は増えている。
今回のプロジェクトは、こうした世帯を纏めてマッチング事業としてしまおうというもので。新たなコミュニティを形成するために既存の賃貸マンションを改造して、高齢者や子供達の健康を改善すると共に、経済の地域循環を含んで廻してやろうという試みだ。いわば「ひと・もの・かね」のトータルなマネジメントを行おうという大それた考え方がベースにある。
これまでの賃貸マンション経営は、孤立した住戸の提供であった。独り身が多くなれば、その為の支払可能で何とか生活が保てる大きさの住宅を提供すれば、数の増える需要に対応して行けた。また、子育て世帯向けにも、持ち家取得までの間を過ごす程度の住宅規模で、せいぜい子供の安全を考えてセキュリティに留意する程度で済んだ。それに高齢者の居住に対しては、孤独死などの関係もあり、余り積極的になれなかった時期もあった。しかし、今は住宅が余り始めた。時代は高齢者の入居を拒む時代ではなくなった。
そこで、新たな住まい方の提案を求められていることに対して、コミュニティと経済的な仕組みを組み合わせた第3の賃貸マンション経営が求められている。高齢者に対しては孤独死をさせない仕組みの住まい。子育て世代に対しては、子育て支援のある住まい。そしてこうした居住についてのコストを地域の関わりによって循環させていこうという取り組みである。そこには世代のミックスが基本になり、経済循環の仕組みも子育て世帯と高齢者が役割分担できる環境が必要になる。さらに生活環境として永住できる建物や外部環境が基本にあり。それを運営する仕組みが導入できることが欠かせない。
なんだか抽象的な話になってきたが、要は、?外断熱建物で結露もなくカビも生えず、高齢者も子育て世帯も健康を維持できること。そして?高齢者が子育てを支援して、費用を高齢者に支払うこと。?単身世帯の居住スタイルを集まって住むスタイルに変えること。である。それによって世の中の問題が一挙に解決するのだと考えている。
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