安気な住まい:不動産事情激変 2

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持ち家同様、賃貸物件の相場も下がり続けている。おなじみ桐生市の平米単価は700円である。多摩ニュータウンの人気の南大沢駅徒歩8分が、124平米13.9万円で借りられる。平米単価は1100円。子育てはせいぜい10年か15年である。面積が少し狭くて良いなら、同じ団地で81平米9万円というのもある。「どうせ親の資産が舞い込んでくるのだから無理して新築買う必要は無い」というのが私の意見。全額を35年ローンで3000万円の住宅買っても15年後には元金はせいぜい1000万円は払えるかどうか。2000万円は元本が残っていて、その時の中古価格は運良くても2000万。何とかチャラになっても、支払った総額は家賃総額より大きいはず。賃貸ならば9万円の家賃と管理費ですむが、持ち家ならば10万円の住宅ローンに不動産取得税や登録免許税、そして毎月の固定資産税と修繕積立金が加算されると毎月13万円以上の支出になるはず。その差額は大きい。

こうした不動産事情に消費者は敏感に反応する。より利便性を求めて動くので、大きく見ると大都市集中が更に進むし鉄道駅からの徒歩圏に人気が高まる。駅と言ってもローカルな駅ではなく大都市圏の利便性の高い最寄り駅。少なくとも時刻表を気にして乗るのではなく、いつでも行けば乗れるという感覚の駅利用が常識の世界になる。郊外は人気が薄れて人々は離れていくが、その時の郊外とは何かを知ることがこれからの地域の盛衰を占うことになる。その時多摩ニュータウンはどうなるか。こうした議論をすると必ず二つに分かれる。それが面白い。私の立場は「多摩ニュータウンは更に利便地区になる。」と標榜するポジションにある。交通網や環境整備の充実、新規住宅の供給と共に既存住宅の質の向上。そして地域経済を支える裕福な居住者の集中で地域経済は潤うと考えている。

今後の日本経済は「衰退か安定か」の時代にはいる。多摩ニュータウンは安定した社会が持続する地域になる。嘗ての右肩上がりの状況ではなく、基本的なストックの活用による安定社会が到来する。少しずつ前進し、少しずつ後退するという一進一退の状況が安定を生む。リニア新幹線や小田急線の複々線化は良いニュースだが、世帯の縮小化や高齢化、建物や基盤整備の老朽化は後退要員になろう。こうした進退のバランスがこれからの地域経営の舵取りのポイントになろう。多摩ニュータウン経営に注視した地域のマネジメントを始めようと考えている。地域経営を大局的に見る組織が多摩ニュータウンにはない。東京都がコントロールという立場ではあるが、多摩ニュータウンエリアに限定することも出来ず、散漫な視点での地域経営は余計迷いを生む。ここは多摩ニュータウンにしっかり軸足を置いた経営計画が必要で、多摩ニュータウン全体の協議会かエリアマネジメント組織を立ち上げたいと思う。

一寸、唐突な提案だから、みなさん、びっくりするかも知れないなと思いつつ・・・。

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このページは、秋元孝夫が2012年3月16日 01:54に書いたブログ記事です。

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