多摩市の持ち家住宅に対する施策

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「持ち家住宅に対する施策」とは新規供給と中古の流動化である。多摩市の場合は基本的に後者に力を入れる必要がある。とりわけ計画的に分譲された戸建て団地がすでに50年を越えた桜ヶ丘地区や30年を経過した聖ヶ丘地区など成熟した、あるいはしつつある戸建て住宅団地があり、こうした戸建て住宅に滞留する高齢者の存在が課題になっている。住み続けることが何れ困難になるか、すでに困難ではあるが、適した住まいが見いだせないでいるという現実が、住まいのローテーションを留まらせている。高齢者が終の住まいを容易に見いだせれば、現在の住まいは若い世代にバトンを渡せる。しかし、現実には高齢者の終の住まいがあまりに少ない。求められるものではない施設型の住まいや、コミュニティの育たないマンションなどの一律の供給しか無いことが住まいの循環を閉鎖的なものにしている。

そこにコーポラティブ住宅やコレクティブ住宅などのコミュニティ豊かな住まいの姿がある。高齢化しても安心して住み続けることが出来る住まい。ひとりになっても見守りのある暮らしがある。共に共鳴し在って育てるコミュニティがまずあり、その後に住まいがあるという仕組み。気のあったもの同士が共に暮らす住まいの姿。それがコーポラティブ住宅である。持ち家でも賃貸でも良い住まいの形は、未来が未知数のひとり親世帯や単身高齢者にも当てはまる。無理をして高額なものを買わない仕組みは家が余ってくるこれからの住まいとしては広がりを見せるはず。

戸建て住宅でも集合住宅でも、バリアフリーの住まいで共に暮らすことを目的とした住宅で、住まいの循環を図ることを推進しよう。これからの住まいはコミュニティがキーワードになる。世代を問わないコミュニティが相互を支える助けになる。今「永山ハウス」では子育て世帯と熟年世帯、単身世帯がそれぞれ1/3ずつ居住している。特に決めて掛かったものではなく、自然に世代がミックスしてコミュニティが出来上がった。相互に立場の違いはあるが、緩やかなつながりの中で生活が営まれている。こうした協働する住宅を目指そうではないか。

そこで第2の「永山ハウス」を目指して「あんきな会」を開催してコミュニティを育てている。仲間が出来れば家を考えるという、ゆっくりした取り組みである。こうした動きを大切にしたい。

とりわけ高齢単身世帯の希望は、健康維持と見守りだ。こうしたコミュニティにはコレクティブ住宅が良い。10人くらいが集まった一つの家族を形成する。相互に見守りながら共同炊事など、共に支え合う関係をつくる住み方だ。大きな家族と言えば言えるし、地権者と協働事業で建設したり、既存施設を改造してコレクティブ住宅にアレンジする方法もある。賃貸なので住みにくくなったら、その時は出ればいい。この場合、多摩ニュータウンの中に複数のコミュニティが育っていれば、お気に入りのコミュニティに選んで入ることができる。だから出来る限り多くのコレクティブ住宅を地域に作りたいというのが私の考え方。行政も応援して地権者との共同事業を支援する方法が在っても良い。

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このページは、秋元孝夫が2012年4月 9日 01:24に書いたブログ記事です。

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