安気な住まい:変わる家族の姿

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多摩市の家族構成が急速に変わりつつある。「夫婦と子供」という基本単位から「単独世帯」が主役に躍り出た。「夫婦のみ世帯」も急速に延びていて「女親と子供世帯」も着実に増えている。従来の核家族が核分裂を起こし始めているようにも見える。ここに来て「夫婦と子供」の下落傾向は止まったのは最近のマンションブームの影響だ。学生も多摩市に住むのではなく実家から通ったり都心近くに拠点を移して「単独世帯」が減少に転じた。相変わらず子供が独立していくと「夫婦のみ世帯」は増えていく。今後、何処まで延びていくのか。そして一人親世帯の行き先はと考えていくと、多摩市の家族像が急変しているのが見えてくる。

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これは多摩ニュータウンに7割が住んでいる多摩市の動きである。だから核家族が分裂して分解していく姿が見えている。子育てを終えると「夫婦のみ」になり、やがて「単独世帯」へと移行する。単身高齢者の顕在化が進んでいる。

一方、女性の自立が叫ばれ、女性のキャリアママが働く環境も整っている多摩ニュータウンでは、公的賃貸住宅の環境もあることから母子世帯は住みやすい。着実に「女親と子共」世帯が増えている。また「夫婦と子供」世帯の数がここに来て減少傾向を止めたのは、多摩センターや聖蹟桜ヶ丘駅周辺で大量に供給されたマンションの影響で持ち家を取得したい子育て世帯が転入した影響がある。いずれその供給が終わると下降線を辿るかもしれない。高齢単身世帯の増加は続いているのに「単独世帯」が一時休止に成ったのは、若者の都心回帰が原因のようだ。多摩市の家賃より割安なアパートが新宿寄りで供給され始めたと聞く。家賃が安くなった。「敷金礼金0、半年間は家賃半額」という募集も目立ち始めた。多摩市内でも家賃低下は当たり前になっている。以前の半額が常識化している。

今後の賃貸市場の開拓はどうすればいいだろう。核家族の中でも「夫婦と子供世帯」は持ち家だし「夫婦のみ世帯」も子供の独立で夫婦のみになったのだから、持ち家世帯のはず。ここで思案すべきは「女親と子供世帯」そして特に高齢者の「単独世帯」の増加に対する住まいの提供。母子世帯の経済力はまだまだ持ち家を入手するにはきつい。だから公的賃貸住宅に集中するのだが、孤立した生活を支えるサポートは欲しいところ。同様に高齢者の「単独世帯」も助けが欲しい。だから、一緒に住むという選択はある。持ち家で住むのではなく、やはり借家が住みやすい。これにはコーポラティブ住宅やコレクティブ住宅という共に住める住まいが望ましい。

ここでの主役は女性だ。男はどうも、こういうコミュニティには登場しない。「男親と子供」のケースも増えているが、家庭内コミュニティの維持が不安に思ってしまう。私がその立場ならば自信がない。再婚でもすればいいと思うのは老婆心の勝手な考え。思い切ってコミュニティに飛び込めばいいと思う。40過ぎて単身の人生を決め込んだ女性も参加できそうだ。一人一人の役割が生まれそうで、個性的な家族が揃いそう。互いに尊重し合う新しい家族像。そんな繋がりが多摩市の家族類型に加わればいい。その場合は「非親族世帯」に振り分けられることになるのかな?

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このページは、秋元孝夫が2012年4月 1日 01:36に書いたブログ記事です。

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