安気な住まい:幸せはみんなで共有

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「豊かさは平等を生む」という考え方が一つの理想だとすると、現代社会も豊かさを享受できる社会がまずは必要になる。一部の金持ちと多くの貧乏人の構図はいただけない。世界には不均衡や不公平を是正する紛争が絶え間ないが、一歩一歩時代は平等へと向かっているように思う。情報の共有や教育の充実により人々は平等を求めるようになる。その大きな力は「幸せは共有することによってさらに幸せになる」というのが私の信念である。それほど高邁な信念と言うことではなく、人間の性を考えると一人だけの幸福はあり得ない。リビアでカダフィー大佐が一人で富を享受しようとした結果、殺されることになった。アラブの春はまさにこれを表している。

金銭欲は誰だってある。だけど人は独りでは孤独だし心の安定は保てない。嘗てフィリピンの大統領だったマルコス大統領が市民による革命により宮殿を追われた後に残った夫人の靴。大量に陳列された靴靴靴に世界は唖然とした記憶が生々しい。人は頂点に上り詰めると自分を失うという例えであり、多くの君主達がその道を辿った。そして何時かは崩壊する運命にある。

民主主義とはみんなで幸せを共有する仕組みだと心得ている。今の所、最も幸せを生むシステムが民主主義だと考えているから、みんなで幸せを共有することがさらに幸せに繋がると思っている。その為には税制改革も必要だろうし、福祉の充実も必要になろう。ただしバランスの欠いた福祉は問題で、みんなが役割分担した上で、幸せを享受できる社会が求められる。

国の中での貧富の差は分かり易いが日常的にも格差はある。格差があるのは自然で、必要なのは自由なチャレンジであり、自らの可能性を制限しない社会体制である。たとえば資力がなければ東大に入れないと言う傾向は不自然で、資力が無くとも教育の自由が確保されていなければならないのだ。それは単にみんなが塾に行けるという平等ではなく、大学への入学や教育体制のあり方そのものが改善すべきだという意見である。優れた学問は知識だけの入学試験では達成できない。物事に対する問題意識や自己実現能力の高さ、探求力の背景を探る能力の育成が必要だ。

幸せは自らの力で手に入れるものだが、社会システムが出来ていないと余計や不平等が発生して、同じ幸せを手に入れるための格差が生まれる。まずは教育環境である。塾に行かなくても図書館に通うだけで東大に入ることが出来る社会。知識による試験ではなく研究に対する取り組み意識を評価する口頭試問を重視する仕組み。単に高校を出たからといって入学するのではなく、一端社会に出た後で専門性を確認した学習のシステム。勉学の目標すら定まっていないでの大学は無意味である。より研鑽した社会意識を持った入学の道が開かれることを願うものである。

幸せの扉は社会システムの有り様で決まってくる。まずは身近な環境整備から始めようと思っている。その中で平等と民主主義による社会運営を実現して社会へのメッセージを送りたい。その場を導き出すことに努力したい。

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このページは、秋元孝夫が2012年1月23日 07:35に書いたブログ記事です。

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